3Dでちょっとやり過ぎ?
7月9日公開の「フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館」。東京・銀座のシネスイッチ銀座に見に行ってきました。平日木曜日の19時10分開始の回は、鑑賞者は20人弱でゆったり見られました。3D・4K作品なのでこのようなメガネをかけて見ます。
フィレンツェの赤レンガの街並みとサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、ポンテ・ヴェッキオなどが、3Dで迫力満点に映し出されます。実際現地に行っても見ることのできないような、特殊な角度からの映像もあって、撮影は大変だったろうなという感想を持ちました。
そしてメインのウフィツィ美術館の作品へ。
ボッティチェリの春やヴィーナスの誕生、レオナルド・ダ・ヴィンチの受胎告知、ミケランジェロの聖家族などなど、ルネサンスの傑作を取り上げ、それらを3Dで見せてくれます。
でもここでなんかちょっと、期待してたのと違うというか、ただ自分が映画の趣旨を勘違いしていただけというか、、、そんな印象をもってしまいました。
遠近法を駆使して描かれているとはいえ、元々2Dの絵画を無理に3Dにして飛び出すように見せるので、なんか臨場感とはちょっと違う、やり過ぎな作り物感を感じたのです。
ちょうどミュージアムショップで売っている、こんなおもちゃで見えるような画像です。
面白い試みの映画ではあると思うのですが、絵画に3Dの臨場感を期待してはダメだな、、と。
でもこれは絵画やステンドグラスに限っただけの話で、彫刻に関しては全く別です。ミケランジェロのダヴィデ像の3D映像は、普通では近づくことのできない頭部まで実際にその場にいるかのように見えて素晴らしかったです。
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3Dの臨場感を生かすには、、。
絵画よりも彫刻、建築でしょうかね。イタリアでいえば、ローマの街のあちこちにあるベルニーニとかの彫刻、各地の古代ローマの遺跡などを3Dで見せれば、臨場感満点、期待通りの映画になるのかなぁ、、なんて勝手なことを思いました。
アンドレア・ポッツォによるローマの聖イグナチオ教会の天井画≪聖イグナティウス・デ・ロヨラの栄光≫や、ミケランジェロによるヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の天井画などは、それそのものが3Dで見えるように描かれています。
≪聖イグナティウス・デ・ロヨラの栄光≫
≪システィーナ礼拝堂天井画≫
それらを4Kの最高画質で飛び出ているように見せる方が、感動が大きいのではないかなぁとも思いました。
余計なお世話か、、、。
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