カラヴァッジョの法悦のマグダラのマリアが日本で世界初公開!
カラヴァッジョ展の気合いが感じられる
東京・上野の国立西洋美術館で2016年3月1日から開催される「カラヴァッジョ展」で、法悦のマグダラのマリアが世界初公開されることになりました!
<今回展示される法悦のマグダラのマリア>
この「法悦のマグダラのマリア」は、ローマで殺人を犯して逃亡中だったカラヴァッジョが、1606年に描いたものです。カラヴァッジョは、逃亡先からローマにもどる最中、熱病で倒れ1610年に死んでしまいました。
その時に持っていた絵画が3枚あり、1枚は不明ですがそのうちの2枚は「洗礼者ヨハネ」と、この「法悦のマグダラのマリア」です。その後、「洗礼者ヨハネ」はボルゲーゼ枢機卿の手に渡り、現在ローマのボルゲーゼ美術館に展示されています。
「法悦のマグダラのマリア」の行方は分からなくなっていましたが、2014年に個人のコレクションから発見されました。この絵には、少なくとも8枚のコピーがあり、その真贋の判定は難しかったようですが、専門家はマグダラのマリアの顔と手の描き方、洋服のひだ、そして絵の裏側で見つかった、17世紀当時にしか使われなかったヴァチカン税関のスタンプの蝋などから判断されたようです。
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この絵は一時期ナポリにあり、その時にフランドル画家のルイス・フィンソンがコピーを描きました。この作品は現在マルセイユ美術館にありますが、この絵を元にまた多くのコピーが描かれました。
<法悦のマグダラのマリアのコピー>
コピーというだけあって、素人の私には違いが全く分かりません。
またカラヴァッジョは「悔悛するマグダラのマリア」という絵も描いています。表情やポーズが全然違うので、これと比較して見ても面白いですね。
<ローマのドリア・パンフィーリ美術館の悔悛するマグダラのマリア>
今回展示される「法悦のマグダラのマリア」が発見された当時、発見した専門家は「所有者が絵の展示を希望しているか分からない。彼らはこの絵を自分の家に飾って楽しみ、その後は銀行かどこかに保管して、他の誰も見ることができなくなるかもしれない。」と語ったそうです。
しか~し、そんな絵が今回、本国イタリアではなく、この日本で世界初公開されるのです!ありがとうございます、所有者様。そしてカラヴァッジョ展を企画してくれた、イタリア並びに日本の関係者の皆様。
絶対に見に行きますよ。もうチケット買ってあるし。
カラヴァッジョの新たな絵がフランスで発見される
2016年4月に、カラヴァッジョのものとされる絵がフランスで発見されました。これはなんと民家の屋根裏に150年間も置いてあったそうで、たまたま雨漏りの修理のために屋根裏を覗いたら見つかったそうな。本当かいな?
雨漏りするような屋根裏だと、湿気もすごかっただろうし、保存状況は大丈夫なのだろうか。。でも写真で見る限り、もう修復済みかと思うほど綺麗な状態ですね。
専門家の中にはこの絵は、フランドル画家のルイス・フィンソンによる模写だ、と言う人もいるみたいです。確かにルイス・フィンソンは同時代の画家で、実際に≪法悦のマグダラのマリア≫のコピーを描いたりしているので、その可能性はあるかもしれません。
今回発見された絵は、現在フランスから持ち出し禁止だそうです。今後フランス政府が買い上げたら、ルーブル美術館に展示するのですかね~。今ルーブルにカラヴァッジョ作品は、以下3点があります。
≪女占い師≫
≪アロフ・ド・ウィニャクールと小姓≫
≪聖母の死≫
今回のニュースを機に、ルーブル美術館でもカラヴァッジョ人気が高まりますかね!
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