伊藤若冲以外にもいた幻の天才絵師
東京駅直結の東京ステーションギャラリーで、11月11日まで開催中の「横山華山」展を見てきました。
私は、この横山華山という画家について全く知らなかったのですが、先週末にテレビ番組の「美の巨人たち」で取り上げられていて、興味を持ったのでちょっと行ってみました。
横山華山は、江戸時代までは有名な画家でしたが、その後現在まで忘れられた存在となっているようです。あの伊藤若冲と同じような状況。2018年の美術展を紹介する雑誌にも全く取り上げられていないんです。なんでだろ?
あまり期待はしていなかったので、夕方ちょっこと寄ればいいか、、ぐらいに考えて午後4時半に美術館に到着。東京駅の丸の内北口直結です。チケット売り場も会場内も空いていました。
まず最初に展示されていた作品を見て、自分の考えが間違えていたことに早速気づきました。
画家が9歳のときに描いた《牛若弁慶図》という絵が半端じゃなかったんです。小声で “マジか!” って言っちゃいましたよ。
番組で取り上げられていた《紅花屏風》という作品は、もう本当に感動ものでした。描かれている220人もの人物が、表情豊かで動作もリアルで今にも動き出しそう。見ていて楽しくて、単眼鏡でじっくり見ていたら、この作品だけで20分ぐらいかかりました。
本当に細かいところまでしっかりと描写されていて、この画家の根気に感心しました。伊藤若冲の超絶技能にも驚きましたが、この横山華山にも同じぐらいの驚きを感じました。
残念ながら、この《紅花屏風》は10月14日までの期間限定展示。でもすごいのは他にもありました。
《祇園祭礼図巻》という、上下2巻に分かれている絵巻です。上下巻合わせると30メートルにもなるそう。もう何人の人間が描かれているのか分かりません。1000人超えは間違いない!?
人々の着物の細かい柄や顔の表情まで、30メートルにわたり恐ろしいぐらいの緻密さで描きこまれています。個人的な感想ですが、先日見た横山大観の「生々流転」という40メートルの絵巻より、この横山華山の作品の方がすごいと思いますね。
横山華山は絶対に人気が復活すると思います。あの伊藤若冲のように。なので、この展覧会は、空いている今絶対に見ておくべきですね。
私はちょこっと寄ってみるだけのつもりだったのに、結局鑑賞時間が足りなかった!!完全に失敗しました。鑑賞には2時間は必要です。
単眼鏡も必須です。
ビクセン
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