カラヴァッジョの追随者たち
イタリアの17世紀バロックの画家、カラヴァッジョ。
光と影のコントラストが印象的で、人の表情や肌の質感などもリアルで、一度見たら忘れられない絵を描く画家です。
そんなカラヴァッジョの作風は他の画家にも多大な影響を及ぼしました。イタリアのアルテミジア・ジェンティレスキ、フランスのジョルジュ・ド・ラトゥール、オランダのヘラルト・ファン・ホントホルスト・・・・などなど。このようなカラヴァッジョの作風を受け継ぐ人をカラヴァッジェスキといいます。彼らの描く「光」にその特徴がよく現れます。
≪ホロフェルネスの首を切るユディト(ジェンティレスキ)≫
≪聖ヨセフ(ラ・トゥール)≫
≪キリストの降誕(ホントホルスト)≫
カラヴァッジョの生活といえばケンカばかりで、ついには人殺しまでしてしまうほど荒んだものでしたが、そのへんの悪態は継承されておりません。まぁ、ラトゥールなんかは金銭面での問題が多かったり、暴力的だったらしいので似てるっちゃぁ似てますが。。
現在東京・上野で開催中の「カラヴァッジョ展」では、このようなカラヴァッジェスキの作品たちを見ることができます。
しかし、このカラヴァッジョ展にも来ていなくて、日本のどこにもまだ作品が展示されていない画家がいるのです。
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ロベルト・フェッリという画家
まだ日本では作品を見ることのできない画家。今、私がとても興味を持っている、その名はロベルト・フェッリ(Roberto Ferri)。
1978年、イタリアのタラントという町で生まれたまだ30代の画家です。このロベルト・フェッリの描く絵がものすごいのです!初めてカラヴァッジョの絵を見たときと同じ衝撃を受けました。まさに現代のカラヴァッジェスキ。
≪聖セバスティアヌス≫
≪洗礼者聖ヨハネ≫
≪Tristezze della Luna≫
カラヴァッジョは女性の裸体は描いていないのですが、ロベルト・フェッリは女性も男性も神話の神もリアルに描きます。リアルすぎてちょっとドキドキします。
自身のサイトで多くの絵を公開していますよ。
Roberto Ferri - Galleria quadri e dipinti
なんだか現実の世界と聖書や神話の世界との区別がつかなくなりそうな感覚に陥りますね。いつか実物を見て、その迫力を直に感じてみたいものです。
この画家は、高い技術が認められローマ法王の肖像画も描きました。その絵は力強くて、品があって、法王にも絶賛されたことでしょう。
≪画家ロベルト・フェッリとローマ法王の肖像画≫
アメリカやベルギーでは展覧会を開いているようですが、早く日本にも来てくれないですかね。自分がイタリアに行って見る方が早いかな。それにしても現代にもすごい画家がいるもんですね~。
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