TRAVEL AND ART

旅行と美術鑑賞のことばっかり考えてるブログです。

世界遺産パルミラ遺跡が破壊の危険に晒されている

ISが古代都市パルミラの大部分を制圧したというニュースが流れていました。ISは以前にもイラクでハトラ遺跡やニムルド遺跡を破壊したといわれているので、パルミラ遺跡も心配です。砂漠にたたずむ古代ローマ式列柱などはとても美しいのですが、おそらく彼らはこのパルミラも破壊してしまうのでしょう。 

何とかこの世界遺産を救う方法は無いものか。シリア文化省は彫像などはすでに移設したらしいですが、神殿や劇場跡などは厳しいでしょうね。

昔、欧米の考古学者たちがイラクで遺跡を発掘して、人頭有翼獣像などを自分の宝物のようにイギリスやアメリカへ持ち帰ったという話を知った時、「元の場所に置いとけよ」と思ったものですが、今回のような事件が起こると、大事な人類の遺産は分散しておいてもいいのかなと思うようになりました。

 

ロンドンの大英博物館には巨大な人頭有翼獣像が、温度管理された建物内で風雨にさらされることなく展示されています。小屋に詰め込まれた感じで窮屈そうですが、破壊される危険はほぼゼロです。今思えば、快適な顔をしているようにも見えます。

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大英博物館にはギリシャの遺跡の一部なども展示されていて、実物を見たときには「いろんな所からかっさらってきたな」と思っていたのですが、安全に保存するためにはこの方がいいのかもしれません。

  

21世紀になって、インターネットが発達し、スマホタブレットが誕生し、デジカメは進化して格段に旅行自体はしやすくなったと感じますが、各地でテロ事件が頻発している現在、旅行しづらい国が増えたなというのが本音です。シリアなんて歴史のある素晴らしい国だから、見どころはたくさんあるのですが、しばらく行けそうにありません。

世界一周旅行を夢見ているうちに、見どころがどんどん破壊されてゆくとは想像もしていませんでした。この破壊の連鎖が早く終わることを願うばかりです。