東京都庭園美術館の「並河靖之七宝展」で明治の超絶技巧を楽しむ
並河靖之七宝展は混雑無く、落ち着いて鑑賞できました
東京・白金の東京都庭園美術館で2017年1月14日から4月9日まで開催中の、「並河靖之七宝展」を見てきました。
日曜日の午後3時半頃に入場しましたが、混雑はしておらず静かにじっくりと七宝の細かい部分まで鑑賞できました。
明治時代に輸出用美術工芸品として発達した七宝の頂点を極めた、並河靖之の超絶技巧を存分に楽しめる美術展です。
展示品は七宝作品に加え、その図案というべき下絵も展示されています。並河靖之の七宝が美しいのは知っていましたが、この下絵もまたものすごい緻密さで必見です。その緻密な下絵にこれまた細かく色の指定が書き込まれていたり、七宝以外の関連資料も見ごたえあります。
(美術展チラシより)
展示品約140点のほとんどが、並河靖之七宝記念館と清水三年坂美術館など京都から来ていて、はるばるロンドンの博物館からも10品ほど来ています。これほどまとめて、しかも東京で見られるなんてとても貴重です。
ただ一点だけ、展示品目録の番号と実際の展示の順番がバラバラだったのが、少し見難いかな、と思いました。
超絶技巧の鑑賞には欠かせない単眼鏡のレンタルをしていました
七宝の細かい技を見るためには、単眼鏡が必須だろうと思い私は自分のものを持参しました。すると美術館ではビクセンというメーカーによる、単眼鏡無料レンタルを行っていました。ほとんどの人がレンタルしていて、皆さん並河靖之の超絶技巧に見入っていました。
これ必要ですよ~。50台限定なのでお早めに。ミュージアムショップではビクセンの単眼鏡の新モデルを販売していました。赤い本体のおしゃれなヤツ!同色のセミハードケースも付属していてカッコいいですよ。
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「超・日本刀入門~名刀でわかる・名刀で知る~」展は刀剣鑑賞初心者でも楽しめる
静嘉堂文庫美術館はバスで行くのがおすすめ
東京・世田谷の静嘉堂文庫美術館で、2017年1月21日~3月20日までの間、開催中の「超・日本刀入門~名刀でわかる・名刀で知る~」展に行ってきました。
静嘉堂文庫美術館は駅から少し離れているので、車で行こうか電車で行って二子玉川駅からバスに乗るか悩みました。今回は電車とバスを選択しましたが、結果的に良かったと思います。なぜなら、二子玉川駅周辺の道が細くて、慣れていないと車で行くのはちょっと大変だなぁと思ったからです。
パスモやスイカで支払いができます。
二子玉川駅から10分ちょっと。バスから降りてあるのは美術館の入り口の門。ここを入って、木々の生い茂る小高い山を登っていきます。
世田谷にこんな自然の山があったんですね。この道を登って美術館建物の入り口前と、最初の門の横にも駐車場はありますが、バスで行ったほうが気楽です。
刀剣鑑賞の手引きをもらえる!
私は刀剣をしっかりと鑑賞するのは今回が初めてだったのですが、そんな初心者のために入場口で展示目録と一緒に「図説・刀剣鑑賞の手引き」も配布しています。刀剣の専門用語の解説がされていて、鑑賞する際これが本当に役立ちました。
各展示品には解説が付いているのですが、そこで使われている言葉の意味が難しい。そんなとき、この手引きを読むと言葉の意味も理解できるのです。
今回は音声ガイドも借りてみました。 落語家の春風亭昇々さんによる音声で、聞いていて面白かったのと、展示59品の内、約半分の解説があったので、とても内容の濃いものでした。音声ガイドは540円です。
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「超・日本刀入門」展鑑賞には、動きやすい服装で混雑する前に行こう
どういうことかというと、この刀剣を鑑賞する際、刀身の表面の模様や刃の文様を見るため、光を反射させます。自分の視点を変えることでその光の反射の具合を変えられるのですが、そのときに中腰になったり、膝を曲げて低い位置で右左動いて鑑賞することになります。
結構膝を使って動くので、動きやすい服装と靴がオススメかなと思います。
また、刀身の表面の模様や鞘の細かい装飾を見るのには、単眼鏡があるといいと思います。
音声ガイドを聞きながら、単眼鏡を使ってじっくり見てまわって約1時間半。会場内は混雑してはいませんでしたが、皆さん光を反射させながらの鑑賞なので、絵画を見るのとは少し違った動きとなります。これで混雑してしまうと、細かい部分まで見るのは難しくなるでしょう。
ミュージアムショップには、クリアファイルや絵葉書、刀剣関連本などがありました。私は今回「静嘉堂名刀選」というパンフレットを買いました。主な展示品を解説した図録のようなものです。500円。
今回の「超・日本刀入門~名刀でわかる・名刀で知る~」展は、とても分かりやすく構成されていて、私も刀剣の見方が少し分かってきたので、より興味が沸いてきました。刀剣初心者にもオススメの美術展です。
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上野の「春日大社千年の至宝」展、混雑覚悟してでも行くべき日
春日大社展でどうしても見たいものがある
東京・上野の東京国立博物館で開催中の「春日大社千年の至宝」展。週末でも、まだ大きな混雑は無いようですが、私はまだ行っていません。
なぜなら、この春日大社展は会期中展示替えがあるのですが、その中で展示期間が重なって私の注目する品が全て出揃う日があるのです。
1.≪国宝≫金地螺鈿毛抜形太刀「きんじらでんけぬきがたたち」展示期間:1/17(火)~2/19(日)
2.≪国宝≫赤糸威大鎧(梅鶯飾)「あかいとおどしおおよろい(うめうぐいすかざり)」展示期間:1/17(火)~2/19(日)
3.≪国宝≫黒韋威伊予札胴丸「くろかわおどしいよざねどうまる」展示期間:1/17(火)~2/19(日)
4.≪国宝≫赤糸威大鎧(竹虎雀飾)「あかいとおどしおおよろい(たけとらすずめかざり)」展示期間:2/14(火)~3/12(日)
5.≪国宝≫黒韋威胴丸(くろかわおどしどうまる)展示期間:2/14(火)~3/12(日)
(春日大社展チラシより)
そう、2月14日から2月19日までの6日間。この間だけ、上記、刀剣一振、甲冑四領の国宝5点が揃って展示されるのです。
注目する点は人それぞれなので、他にも見るべき展示品はたくさんあるのですが、個人的にはこの5点をどうしても見たいのです。
昨年2016年は春日大社の20年に一度の式年造替の年で、これによりお役目の終わった古神宝が神殿から下ろされました。室町時代から神殿の奥で非公開のまま、御本殿を護り続けてきた獅子と狛犬もそのうちのひとつです。これも必見。
(春日大社式年造替パンフレットより)
このような貴重な展示が東京で見られるなど「この先数十年は不可能だ。」と、今回の展覧会の担当学芸員の方も仰っていました。
主催のNHKでは特番が放送され、だんだんと展覧会の知名度も上がってきて来場者は増えるでしょう。でも、こればかりは覚悟して行くしかありません。
私は昨年11月に奈良の春日大社を訪れましたが、そのすぐ後にこんな貴重な機会に恵まれるとは、ありがたや、ありがたや。
2月になってしまいましたが、今年の私の初詣では上野の“春日詣で”です。
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